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コロナ禍、悪魔の選択か〜どうなる日本〜

全国版緊急事態宣言は解除されたが、首都圏、北海道はまだ先が読めない事態が続いている。新型コロナの感染状況が外出自粛効果によって収束傾向にあることが見えてきている。そもそもの緊急事態は海外諸国のように爆発的感染により、医療現場の崩壊とそれに合わせた死者の急増を恐れたからだと言われている。もともとの状況を振り返ると、日本は特殊な事情があるようで感染者数もそれに伴う死亡者も欧米の1%以下の被害で済んでいる不思議さがある。アジア人固有の免疫力とか、乳幼児のBCG接収の影響とか、衛生思想と日常行動の違いなどと様々な憶測があるが、決定打はない。

●免れた医療崩壊

一ヶ月の謹慎期間によってコロナ病床は余裕が生まれている。医療従事者にとって、余裕とは失礼な書き方である事は承知だが、医療崩壊を防止するための自粛であってベッドに余裕が生まれたのであれば、状況は好転したと言えるのではないか。5月19日現在の新型コロナ患者数と病床数の状況は次のとおりである。(https://www.stopcovid19.jp/

全国で予約した新型コロナ患者用の病床数は31000であり、患者数は3100人。医療崩壊による死者の急増は免れる事ができたと言えるだろう。さて、これからが本題である。

●これからどうなる日本

経済指標は4月データまで軒並み暴落状況にある。日経平均は持ち帰しているが、将来も20%ダウンだろう。生産指数も失業率もまだまだ統計データには反映してきていないが、日本のGNP60%は家計支出であるから、食料以外はそっくり抜け落ちる可能性がある。教育、観光、娯楽、外食、各種サービスは自粛活動によって、完全に需要蒸発の状態であるからだ。

緊急事態宣言が解除されてリベンジ消費が復活するだろうか。この3ヶ月分を取り戻すほどの旺盛な消費行動が生まれるだろうか。経済記事では2〜3年の助走が必要だとも書かれている。

「新しい生活様式」「新たなる日常」など、元には戻れない示唆に溢れている。会社はどうなる、市場はどうか、競合は存在しているか、海外は?雇用や賃金は?

不安が募るけれども視座を据えて構えなければならないだろう。この事態を経験して分かったことは、グローバリズムの儚さと働き方そのものへの反省だろう。巨大なオフィスに一斉集合することの意味、コストや効率のための他人任せにしたツケの重さ、社会保障の重さに耐えられず医療と食料のために忘れてきたこと、基幹産業を疑うことなく頼り切ってきたこと。乗り切れない試練とは思えないが、戻らない日常を想像すると次の打ち手は今までの延長線には乗っていないことに心配が募る。

この数年を凌ぐためにも新たな事業、商品、市場、技術、顧客、サービスを作り出すことが大事だろう。助かることに物流は製造も販売も代替手段となりうることが証明されてきている。生産工場と営業活動はロジが肩代わりできるのだ。製販物一体の共同歩調で乗り切りたい。進めば光明は見えてくるはずだ。

この記事の作者
コラム記事のライター
花房賢祐

ロジスティクストレンド株式会社

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