至上命題、生産性向上
生産性とは何か、どう定義するか
生産性は金額で測るもので、一人あたり付加価値額で示します。付加価値とは売上から仕入れや他社への支払い額を除いた、「自社が生み出した差額」です。
決して働き方を変えたり残業を減らしたりしても、付加価値は変わりません。「高品質を低価格で」などという間違った価値観で取り組めば、生産性向上どころか更にジリ貧になります。勘違いが横行しています。
経済最優先だという政策もほとんど勘違いしています。働き方改革や裁量労働制などの残業カウントを除外するのは、明らかな誤りです。最低賃金を上げることにちゅうちょして、むしろ見送りに協調する労働政策も誤りです。
付加価値額には従業員の賃金が含まれますから、賃金をアップすれば生産性は上がる計算になるからです。
生産性を上げるための条件ドライバー
生産性向上要素は、5つのドライバーと5つの政策でインフラづくり、事業環境や背景を構築しなければなりません。人の能力でどうこうするものではなく、新たな技術や設備投資が絶対に必要です。高齢化社会を見据えれば、高齢化の割合が女性優先となるのは明らかなので、今から女性の働きと社会保障の分担をお願いしなければ不公平です。
設備投資ができない中小零細経営者は引退していただき、賃金を上げられる中堅企業に経営統合して雇用を維持することが得策です。規模が上がれば自然に付加価値も生産性も上がるのは自明の理ですから。
何より生産性競争を行わなければなりません。掛け声やお題目では、上がらないからです。目標や自身のポジションがわからなければ、改善の方法も意欲もわかないでしょう。
生産性向上プロセス
付加価値額の増額、生産性向上の方策が見えてきたら、手順は12のステップで示されます。それぞれは見てわかるように、従来の仕事を全面的に転換させることを目的にしています。
いわば、「高品質の製品やサービスを高価格で納得させて売る」ための努力を目指しているのです。
最も重視しているのは、投資と教育です。カネはゼロ金利だが、ヒトは希少資源だから大切に育てる必要があるのです。
さて、物流・ロジスティクスの現場ではこのような取り組みができるでしょうか。ロボティクスをヒト代わりに考えるようでは、付加価値創造とは言えないことは確かです。人手不足だから機械化や自動化を目指すだけでは到底足りないのです。
さて、どうする? 生産性向上革命は必死のタイミングになっています。
この記事の作者
花房賢祐
ロジスティクストレンド株式会社