物流塾

効率化と品質向上を目指す構内物流標準化マニュアル第9回~出荷作業の標準化 出荷場の標準化

出荷場でよく見受けられるムダ

 倉庫から必要なものを取り出すことを出庫というが、似たような物流用語に出荷という言葉がある。出荷とは工場から製品や半製品(以下、出荷品)を工場以外の別の場所に移動させる行為を指す。

一般的に出荷品そのものの所有権が変更になるパターンが多い。この出荷を行う場所のことを出荷場と呼ぶ。今回はこの出荷場および出荷作業の標準化について解説していく。

 出荷場は主として荷揃えエリア、トラックポート、出荷事務所などのエリアから成り立っている。日本の製造業では多くの会社で物流に関心が寄せられていないこともあり、出荷場整備不十分による以下のようなムダを見かける。

  • 出荷品の置場がわかりづらく、積み込み担当者に迷いが発生している
  • 荷役時に30mを超えるフォークリフト長距離運搬が発生している
  • トラック到着時刻が平準化されておらず、積み込み待ち時間が発生している
  • 出荷品が揃っておらず、トラックを待たせている
  • 出荷品がトラック単位で荷揃えされず、トラックドライバーがピッキングしている
  • トラックが到着しても荷役用フォークリフトが空いておらず待ちが発生している

 

このようなムダが発生していないか確認するとともに、図1のような「出荷品質基準」を設定することが望ましい。

誤出荷を防止するためのしかけ

 出荷場は工場の最後の砦。せっかく生産工程でよいものをつくっても、出荷場でミスをしてしまえば誤出荷につながり会社のイメージダウンとなる。それだけに出荷場はきちんと整備していきたい。

 出荷場における作業には荷揃え作業とトラックへの積み込み作業、出荷伝票などの発行業務などがある。これらの作業をしっかりと実行するための作業要件を整理しておこう(図2)。その中でも「積載率計算」に関する知識は極めて重要である。トラックをいかに効率よく使い切るかはこの積載率計算にかかっている。また、過積載防止のためにもきっちりとした数字で積載状況を把握することが必要だ。

出荷荷揃え作業では生産工程から必要な製品を引き取ったり、製品倉庫から出庫したりして、その出荷品を荷揃えエリアに置くことになる 。この時点で間違いが発生しないように3点照合を指差呼称にて実施する旨を標準作業書に記載しよう(図3)。

出荷担当者の仕事の一つに出荷伝票の発行がある 。誤出荷の一つに製品と伝票の内容が異なることが挙げられる 。出荷伝票は納品伝票も兼ねるため「お金」に関わる重要書類と言える 。これを正確に発行し、製品に添付することも出荷品質の一環である 。なお、製品に添付した伝票が風による落下や飛散を破さないよう、貼付方法や管理方法にも留意せねばならない。

 誤出荷の要因として出荷品の複数場所分散置きも挙げられる。片方の置場の出荷品は積んだものの、もう一方を積まなかったという事例もある。荷揃え時は出荷品を分散せずに一か所にまとめて置くようにしよう。さらに荷揃えタイミングも重要。トラックが到着しても荷が揃っておらず、待たせることが発生している。荷揃えは積み込み30分前ルールを作り守らせるようにしよう。

出荷場のKPIとは

 結果系KPIは「誤出荷率」ということになる 。出荷場には、届け先・品目・数量が正しいことを最終保証する機能があるからだ 。仮に生産遅れがあった場合には、分割納入処理を出荷場で行い、それぞれの納入単位で数量や内容の正確性(納入品質)を保つことが求められる 。

次に要因系KPIであるが、積み込み「30分前荷揃え完了率」を考えてみてはどうか 。これを限りなく100%に近づけることで誤出荷を無くすことにつなげることができる 。また、「トラック定刻出発率」も設定しておこう。納入遅れも極端な先行納入も納入品質不良になるからだ 。

【第9回まとめ】

  • 出荷とは工場から製品や半製品を工場以外の別の場所に移動させる行為を指す
  • 出荷場整備が不十分だと「迷い」や「待ち」などのムダが発生する
  • 出荷場は工場の最後の砦。標準作業をきちんと定め、誤出荷を防ごう
  • 結果系KPIとして「誤出荷率」、要因系KPIとして「30分前荷揃え完了率」、「トラック定刻出発率」を設定しよう
この記事の作者
仙石 恵一

合同会社Kein物流改善研究所 代表社員