物流塾

物流アウトソーシング(3PL)のすすめ

3PLは「物流の作業代行」ではなく、企業の成長を支える経営パートナー


「物流を外部に委託する」という言葉から、倉庫や運送を外注することをイメージされる方は多いのではないでしょうか。
しかし、物流の3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)が本来取り組むべきことは、単なる作業の代行ではありません。
3PLに求められているのは、荷主企業の経営課題を物流面から捉え、物流戦略を立案し、物流全体を最適化することです。
 

「作業」ではなく、「物流全体」を最適化する


物流は、調達から生産、入庫、保管、出庫、ピッキング、流通加工、輸配送に至るまで、多くの工程がつながって成り立っています。
そのため、倉庫だけ、運送だけ、システムだけを個別に効率化しても、全体として最適な物流になるとは限りません。倉庫、車両、人員、物流システムなど、社内外のさまざまな経営資源を最適に組み合わせ、効率的な物流網をデザイン(構築)し、運営しながら全体的に最適化していく。その「総合的な調整力と実践力」こそが、3PLに求められるコーディネート力だと考えています。


また、ロジスティクスには大きく、①戦略、②運営、③作業という3つの階層があります。
戦略では、物流拠点や輸配送網、在庫配置、物流体制などをどう設計するか。運営では、その戦略を実行し、品質・コスト・納期などの成果(KPI)をどう測定し管理するか。そして作業では、現場・現物に即して、工数削減や品質向上につながる改善をどう積み重ねるか。企業規模にかかわらず、3PLにはこの3階層を一貫して捉え、物流戦略に関わりながら、現場の運営と継続的な改善によって成果を創出することが求められます。
 

ネオロジスティクスが考える「3PL」

株式会社ネオロジスティクスは、特に中堅中小企業の物流部門の管理・運営代行として、包括的な物流アウトソーシングによって、荷主企業の本業の発展を物流面から支援することを使命としています。
当社はノンアセット型3PLとして創業して以来、出荷作業を行う物流センターの運営を自社スタッフで代行することを中核ビジネスとしてきました。


例えば、輸入品であれば、輸入後のバッファ倉庫を倉庫業と連携して確保し、輸配送については利用運送事業者として実運送会社と連携する。そして、必要に応じて同業他社とも協力しながら、荷主企業にとって最も効率的な物流体制を構築し、運営管理していきます。

つまり、商品の調達物流から、入庫、保管、出庫、ピッキング、流通加工、輸配送までを一つの流れとして捉え、「物流を丸ごと任せられる」体制をつくることです。特に、物流専門部署を持たない中堅中小企業や、創業して間もない企業にとって、物流を自社だけで設計・管理・改善していくことは、多くの時間と人手が必要になります。

だからこそ私たちは、「物流を任せていただくこと」で、経営者や社員の皆様が商品開発、仕入(生産)、販売など、本来注力すべき仕事に集中できる環境をつくりたいと考えています。

また、物流アウトソーシングには「ブラックボックス化」というデメリットが懸念されます。外部に任せた結果、何が起きているのか分からなくなってしまえば、決して良い3PLとは言えません。
そのため当社では、荷主企業との定例会議の開催や共同プロジェクトの運営を実施しています。業務設計、IT活用、KPIの設定、現場管理、作業改善など、荷主企業と一緒にPDCAを回すことで、物流の現状を可視化し、課題を共有し、改善案を提案し、成果が出るまで荷主企業と共に継続的な改善に取り組みます。

物流を「任せる」のではなく、「一緒に良くする」。これが当社の考える3PLです。なお、多国籍企業のグローバルサプライチェーンや、より広域・高度な物流ニーズについては、グループ会社であるアスト中本とも連携し、国内物流にとどまらない支援体制を構築しています。
 

物流を「所有」から「活用」へ 、ある企業の実例


ここで、当社が3PLとしてご支援している雑貨卸売企業様の実例をご紹介します。
価格均一商品・生活雑貨の卸売事業を展開する同社では、かつて自社で物流を運営し、複数の建物や倉庫を所有していました。しかし、事業の拡大に伴って出荷スペースが不足し、社員やパート社員が繁忙期の出荷作業に追われ、営業部員まで作業の応援に入る状況となっていました。

そこで経営者は、「物流のために人や不動産を増やすことが経営の目的ではない」と判断され、駅から遠い自社ビルを売却して駅前に本社を移転すると共に、物流全般をネオロジスティクスへアウトソーシングされました。
当社では、輸入通関・ドレージから入荷、保管、バラピッキング、店別配送までを一貫して受託運営。さらに当社のWMSを活用し、荷主企業の基幹システムとデータ連携することで、物流業務の生産性と品質を高めていきました。

その結果、同社は物流から解放された人材を、商品開発、仕入れ、営業、在庫管理などの付加価値を生む仕事に集中できるようになり、少数精鋭の組織でありながらも、過去最高売上を年々更新するまでに成長されています。
また、物流コストを売上に連動する変動費型へ転換したことで、経営の柔軟性も高まりました。
そして何より印象的なのが、「週休4日制」を見据えた働き方改革への挑戦です。物流現場への対応に追われていた頃には考えられなかった時間を、経営者や社員が本来の仕事や人生のために使えるようになりました。

同社が目指しているのは、物流を「所有する会社」ではなく、物流を「必要なときに必要なだけ活用する会社」です。私たちは、この実例が中堅中小企業向け3PLの価値を象徴していると考えています。荷主企業は本業に集中し、物流事業者は物流のプロとして専門性を提供する。お互いが得意分野に集中することで、双方にメリットが生まれる、まさにWin-Winの関係です。
 

これからの3PLに求められるもの

ネオロジスティクスが目指しているのは、単に「物流を請け負う会社」ではありません。
私たちのビジョンは、

第一に「付加価値創造」です。環境変化に適切に対応しながら、お客様の業務工程(商流)を徹底的に理解し、創造力を利かした全体最適化によって新たな付加価値を生み出します。

第二に「顧客創造」。常にサービス技術を磨き、経営資源を有効に活用し、新しい顧客との出会いを生み出します。

第三に「事業創造」。既存の事業領域にとらわれることなく、お客様の視点から新しいロジスティクスサービスに挑戦していきます。


そして、その根底にあるのが、「人を大切にし、社員一人ひとりが幸せを実感できる、魅力ある会社を目指す」という経営の考え方です。
「関わるすべての人」と長きにわたる信頼関係を築き、お客様に喜んでいただける付加価値の高いロジスティクスサービスを通じて、社会に役立つたゆまないイノベーションに貢献する。
それが、私たちネオロジスティクスの目指す3PLの姿です。


最近では、物流専門部署を持たない中堅中小企業の経営者や、創業して間もない起業家の方々から、「商品開発や販売に集中したいので、物流を全部任せたい」というご相談をいただく機会が増えています。
私たちは、荷主企業の本業が成長し、経営者や社員の皆様が笑顔になることを、3PL事業者としての喜びだと考えています。
物流のプロとして、荷主企業と同じ方向を向き、二人三脚で物流をより良くしていく。
荷主企業の経営者が「物流を外注する」だけではなく、「物流のプロと共に、経営体質を強くする」。
これからの3PLには、そんな要望にお応えする役割が求められているのではないでしょうか。
 
https://neo-logi.jp/ 

この記事の作者
米田 新二

株式会社ネオロジスティクス  取締役