物流塾

効率化と品質向上を目指す構内物流標準化マニュアル第13回~構内物流機器管理の標準化

動力車管理の標準化

構内物流で使われる動力車にはフォークリフトや牽引車などがある。

さらに業種により天井クレーンや無人運搬車なども使われていることだろう。それぞれの動力車で管理の標準化を実施したい。

この中でも特に安全上のリスクが大きいフォークリフトについて見ていこう(図1)。まず法令で指定されている事柄から確認していく。

参考までにカッコ内に根拠法令等を記しておく。

 フォークリフトについては、損傷や故障などから生ずる災害を防止するため、作業開始前点検(安衛則第151条の25)、定期自主検査を実施する必要がある。

定期自主検査は、1月以内ごとに行う月次検査(安衛則第151条の22)と1年以内ごとに行う年次検査(安衛則第151条の21)がある。年次検査については、「特定自主検査」(安衛則第151条の24)として、登録検査業者、または、一定の資格を有する自社の労働者が行うこととなっている。

特定自主検査を行ったときは、フォークリフトの見やすい箇所に、検査標章をはり付けなければならない(安衛則第151条の24第5項)。

点検や検査の結果、異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を講じなければならない(安衛則第151条の26)。

また、定期自主検査、特定自主検査の記録は3年間保存する必要がある(安衛則第151条の23)。

 工場ではこれらの検査の手順をきちんと定め実行し、その結果を保存するようにしたい。たとえば作業開始前点検についての例を記すと図2のようになる。

法令では「制動装置及び操縦装置の機能」「 荷役装置及び油圧装置の機能」「車輪の異常の有無」「前照燈、後照燈、方向指示器及び警報装置の機能」についての点検が求められている。

各項目をブレークダウンして「作業開始前点検表」にリストアップしておこう。

 その他牽引車などの動力車でも同様に必要事項を洗い出し、安全上問題が発生しないよう点検業務を標準化していこう。

運搬具・保管具管理の標準化

 構内物流では動力車以外にも運搬具や保管具としてさまざまな機器を使用している。運搬具として台車やパレットなどを、保管具としてラックや自動倉庫などが一般的だろう。

フォークリフトと異なり法令での基準が明確ではないので会社としてきちんとした管理基準を設け、取り扱いを標準化しておこう。

 それぞれの管理基準は「保管基準」「品質基準」「運用基準」を定める。

この中に安全に対する注意事項を必ず記載すること。

台車とパレットの管理基準の例を図3と図4に示しておくので参考にしていただきたい。

構内物流機器管理のKPI

 構内物流機器管理に関するKPIとしてフォークリフトについて定めよう。結果系KPIとして「作業開始前点検実施率」になるだろう。

その他各点検についても同様に実施率を把握していくことが望ましい。要因系KPIとして「点検作業実施可能作業者数」が考えられる。

パレットであれば結果系KPIとして「棚卸精度(帳簿上の数と実際の数の一致)」を見ていくと良い。

要因系KPIとして「パレット貸借管理伝票発行率」などを考えてみてはいかがだろう。

【第13回まとめ】

* 安全上のリスクが大きいフォークリフトについて、法令(作業開始前点検・定期自主検査・特定自主検査)に基づいた点検手順を定め、確実に実行しよう。

* 牽引車などの他の動力車についても同様に必要事項を洗い出し、安全上問題が発生しないよう点検業務を標準化する。

* 法令基準が明確ではない運搬具・保管具(台車、パレット、ラック等)については、社内で「保管基準」「品質基準」「運用基準」を設けて取り扱いを標準化する。

* 機器管理のKPIとして、フォークリフトの「作業開始前点検実施率(結果系)」や「点検作業実施可能作業者数(要因系)」を適切に設定する。

* パレット等の管理においても、「棚卸精度」や「パレット貸借管理伝票発行率」などのKPIを用いて精度の維持・向上を図る。

この記事の作者
仙石 惠一

合同会社Kein物流改善研究所