物流塾

ヨーロッパ発、持続可能な物流自動化技術を日本へ

ベーヴェシステックジャパンの挑戦

物流業界は今、かつてない変革の時を迎えています。労働力不足、環境負荷の削減、そして効率的かつ迅速な物流体制の構築。これらの課題に直面する中で、持続可能な物流を実現するための解決策として「自動化技術」の導入が求められています。

ベーヴェシステックジャパン株式会社(以下、当社)は、ドイツに本社を置くBOWE GROUPの一員として、欧州で培われた高度な自動化技術と持続可能な物流システムのノウハウを日本市場に届けるべく、日々活動を続けています。私たちの使命は、単なる設備導入ではなく、持続可能な未来を共に創るための「ロジスティクス・パートナー」となることです。

本稿では、私自身の経験を交えながら、当社の取り組みと持続可能な物流への想いについてご紹介します。

物流業界の現状と求められる変革

日本の物流業界では、EC市場の急拡大や消費者のニーズ多様化に伴い、現場オペレーションへの負荷が増大しています。さらに、労働人口の減少や人材確保の難しさが重なり、従来の労働集約型モデルは限界に達しつつあります。

そのような状況の中、私が自動化機器の営業に従事する中で強く感じているのは、「テクノロジーによる業務効率化だけでなく、従業員が持続的に働き続けられる環境づくり」が重要であるということです。

現場を訪問するたびに、作業負荷や人手不足に悩む現場担当者の声を耳にします。人が疲弊し、物流品質の維持に苦労する状況を打開するため、当社では「人とテクノロジーの協調」による持続可能なオペレーション構築を提案しています。

ヨーロッパ発、持続可能な自動化技術

BOWE GROUPは、創業から75年以上にわたり、グローバルで自動化ソリューションを提供してきました。その中核を担うのが「BOWE INTRALOGISTICS」です。

当社が日本市場に提供している自動化技術には、以下の3つの特徴があります:

1.効率的な仕分けシステム(オプティソーター)

 欧州で培われた高精度な仕分けシステムは、物流センターの処理能力を飛躍的に向上させます。プッシュトレー式ソーターは軽量かつ多品種の荷物にも対応でき、アパレル・EC業界を中心に日本国内でも注目を集めています。

このオプティソーターは2007年から2024年12月までに、179台を世界各国に納入してきました。

2.デジタル統合プラットフォーム「BOWE IQ」

 

ソフトウェアが物流オペレーションを最適化するための鍵です。BOWE IQは、倉庫内のあらゆる機器を統合的に管理し、データを一元化。作業進捗や生産性を可視化し、現場担当者の負担軽減と意思決定の迅速化を支援します。

3.持続可能性を支える省エネ設計

 

当社の機器は、省エネルギー設計が徹底されています。モーターの回生エネルギー活用や高効率な機構設計により、電力消費を最小限に抑えます。特に、カーボンニュートラルを目指す企業にとって、持続可能な物流の構築に貢献可能です。

日本市場への挑戦と想い

私はこれまで、日本全国の物流現場を訪問し、多くの現場担当者と直接対話をしてきました。その中で強く感じるのは、日本の物流業界には「目の前の効率化」だけではなく、「将来を見据えた持続可能な仕組みづくり」が必要であるということです。

自動化導入は決して目的ではなく、未来に向けた「人とテクノロジーが共生する環境」づくりの手段であると考えています。

当社が提供する「BOWE IQプラットフォーム」は、機械・人・データをシームレスに連携させ、オペレーションの最適化を実現します。これにより、現場作業の負荷を軽減しつつ、環境への負荷も最小限に抑えることが可能となります。

 

 

中国との戦略的パートナーシップの構築

近年、アジア市場の発展が物流業界に大きな影響を与えています。特に、中国の自動化技術や製造力は目覚ましい進歩を遂げています。 

当社はこの動きを受け、新たな取組として中国企業との戦略的パートナーシップを構築し、日本市場におけるオートパッキングシステムの展開を進めています。 

オートパッキングシステムは、従来の手作業による梱包作業を自動化し、作業効率を大幅に向上させるだけでなく、包装資材の最適化により環境負荷の軽減にも貢献します。

 

このオートパッキングシステムは2025年2月現在、中国、韓国を中心に2,000台以上販売されています。 

このパートナーシップを通じて、より幅広い業界に対して、効率的かつ持続可能な物流オペレーションを提供していきます。

未来への展望

持続可能な物流システムの構築は、単なる環境保護の取り組みにとどまらず、企業の競争力を高める重要な要素です。当社は、ヨーロッパで培った技術と知見を活かし、日本の物流業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することで、より効率的で持続可能な物流インフラの実現を目指します。

「持続可能な未来のために、今できる一歩を」

物流は単に「モノを運ぶ」だけでなく、「未来をつなぐ」役割を担っています。当社は、経営理念である「社会に『なくてはならない』存在になる」という想いのもと、お客様と共に次世代の物流を創造してまいります。

効率性・柔軟性・持続可能性を兼ね備えたシステムを提供し、変化し続ける市場環境に適応できるソリューションを追求し続けます。これからも、より良い未来の物流を実現するために、挑戦と進化を続けてまいります。

 

BOWE GROUP 公式HP ⇒ https://bowe.com/en/

ベーヴェシステックジャパン株式会社 公式HP ⇒ https://bowejapan.com/

 

 

#物流DX #自動化技術 #ドイツ #持続可能な物流 

この記事の作者
コラム記事のライター
今村 裕

ベーヴェシステックジャパン株式会社 営業本部 イントラロジスティクス営業グループ グループ長

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