物流塾

物流の次に何を学ぶ?〜リスキリングテーマ〜

労働の流動化って、あなたが転職することです

 物流業界に居続けることは、結構シンドイでしょうね。待遇は上がりづらく、仕事は毎日が連続していて変化に乏しいから、自分自身が成長している実感を掴みにくいものです。今日の仕事は明日も続くから、何も考えなくても毎日は続いていくことでしょう。そして、1年、3年、5年続けるうちに心の内では迷いが出てくるもの。「このままで良いのだろうか、この仕事をいつまで続けることができるだろうか。」気力や体力を維持することは、年齢に比例してだんだん辛くなってくるものです。進歩や成長というのは、経験と熟練とはちょっと違うはず。
 物流は経済の裏方ですから、経済成長が進めば自然に忙しくなり、去年よりたくさんの仕事をこなすようになって、より少ない時間で多くの仕事をできるようになります。何年かこの状態が続けば、年齢とともに体力が落ちながらも、こなせる仕事が増えているので、何となく忙しさが当たり前になるでしょう。

あなたがいなくても現場は回っている

 働く現場を見回してみてください。あなたの役割は何でしょうか。あなたがお正月休みでいるときに、現場も休みなら気づかなかったでしょうが、もし明日も休むならどうなりますか。昨日と同じように現場は回ることでしょう。少しは不便だったり、戸惑うことがあるかもしれませんが、現場や職場は働く人々の信頼と協調で成り立っているのですから、あなたが居なくなっても何も変わらないはずです。仕事がインプットとアウトプットで回るなら、あなたの役割はそれをただ見守っているだけなのです。2つの手が足りなくても、誰かが少し急いでくれればそれで済むはずなのです。さ、あなたは早くこの現場から卒業する時期になっているのです。

 次に何を学ぶか

 働く目的は生活と成長でなくてはなりません。手と足とで稼いでいると勘違いしてはなりません。ロボットや自動機器はだんだん人の手を要らなくなること、あと数年で人とロボットの数が揃うようになるでしょう。どちらが多いか少ないかの違いにしかならないのです。物流の仕事が突き詰めれば、数えて運ぶだけなら、もうそこにあなたの役割は無くなるはずです。「人手不足とは、ロボット不足」と同じ意味なのです。

 AIは言葉を理解するようになりますが、それは言葉であって、「感覚や創造」ではないのです。「何となく大丈夫」感覚はAIには理解できない。腕や脚の代わりはできても、指や触覚はまだまだできないのです。このことをAIの記号接続問題と呼んでいます。例えば、「甘い」考え方、「甘い」取り組み方、などの「甘い」には、単語と認識や身体感覚、概念を含んでいるのですが、AIにはSWEET以外に解釈ができないのです。
 このように熟練や経験はロボットには到達できない範囲ですが、それも時間の問題であり、ロボットと競争するのは避けたほうが良さそうです。
 だから、あなたは成長するために学ぶ必要があるのです。まだ知らないだろうことがたくさんあることに気づいて欲しいのです。

物流塾で語り合いましょうね

 毎月毎月260回(22年目)継続している物流塾では、毎回2名のゲストスピーカーが登場して様々な議論を立てています。商品やサービスの紹介から始まり、物流やビジネスにどんなインパクトがあるのかを議論のはじめに行い、参加者の質疑で協議が深まります。多くは物流現場に関わる、経済合理性や作業の効率化が多くありますが、中にはSCMや製造販売活動の結果としての在庫や投資資金の公正性に触れるもののあります。
 在庫の意味や在庫と資金の関係性はビジネスそのものを説いています。
 なぜ作るのか、誰に売るのか、なぜ残るのか、どうして売れないのか・・・

 経済の行方や成長鈍化の理由を探りながら、物流の次は何が必要なのかを皆で考える道場のようなものです。ぜひ参加しながら、明日を考えることを始めましょう。

この記事の作者
コラム記事のライター
花房賢佑

ロジスティクストレンド代表

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