物流塾

RFIDの利用状況

1. はじめに

RFIDをアパレルが使用し始めて20年が過ぎました。

初めは、入出荷の検品と棚卸の利用でした。製品にタグの添付状況で個品管理として採用されました。1年後には物流センターでの利用に発展し、ピッキングや自動梱包にまで採用され物流センターの人的効率を大幅に改善できる方向に進みました。約10年で多くのアパレルで採用されました。

その後は店頭での利用が大幅に向上し、店頭や製品の店出しなどの作業の省力化に始まり、在庫確認時に瞬時に必要製品の場所を確認し、顧客の一人当たりの購入金額の上昇まで進みました。

POSレジの無人化や商品在庫の検索作業に大きく貢献し、企業利益を生み出す方向が見えてきました。

2. 新しい利用について

活用方法が各社の都合により、新しい活用方法として期待され、RFIDタグのコストに見合う方向が確立され始められました。

① RFIDのサーキュラーエコノミーへの貢献

・環境経済への貢献としてリサイクルや製品製造への流れを検索する手段としてデータ利用と製造機器の電気代からのCO2削減指数や物流の効率にまで進めている。紙管理は大幅削減に成功しました。

・古着の入荷数や製品管理でのチェック数の確認、強いては品質管理での分析、顧客の持ち込み履歴管理にまで進み始めている。

② CRM顧客管理との連携

・お客様の製品着用履歴、ディスプレイの確認履歴、色やサイズ のチェック履歴、顧客の嗜好と在庫連携への案内等へ分析用に即時分析しECへの連携をふまえ、LTVの上昇に使用されています。

・また、購入後への洗濯最適方法や連携商材の案内に利用し、きめ細かいサービスの確立が確定しています。

③ ARやVR/AIとの連携 ・RFIDタグ情報とAR/VRの連携

・AIの技術連携が組み合わされ、オンラインやEC画像を利用して顧客自身が試着写真のチェックをしたり、利用背景のチェックが出来る画像検証の実験が進んでいます。

・企業側としてその利用状況の分析で、高度な未来販売へ考慮し始めています。店頭では、新体験演出場としての考察が始まっています。

④ サプライチェーンの最適化

・製品の生産から配送までの製品の可視化を実現し、本部での効率化を進め、在庫の自動補充や製品追加への判断をデータの可視化で最適化が進められている。

・企業全他の需要予測の高度化とロボット販売へも進む。

・物流の効率を取引先と共通で認識し、3PL企業も含め配送や預かりBOXの利用状況をメーカー本部の可視化が出来、物流課題を解決し、返却やお客様相談内容に即時判断を行える。

⑤ サスティナビリティの推進

・RFIDタグの情報で商品のライフサイクル全体の環境負荷の把握とメーカーとしての物流把握ができる。

・製品の修理やメンテナンス及びリサイクル率が向上し、サスティナブルファッションを推進、経営支援している。

これらの状況にてRFIDの価値観を企業全体感への経営支援として有る状況を策定している。企業のDX化が言われて久しいなかにデータ管理と分析・可視化と本部の判断材料の構築が進んでいます。

またこれらの状況はアパレル以外の事業系でも検討している。機器製造業や食品加工業もRFIDの使用と実験が進み始めている。RFIDのチップやタグのコストが高いと言われる中、企業が目指す状況の変革を進める上でRFIDの情報チェックが進んでいます。化粧品メーカー・鉄鋼メーカーや食品メーカーと販売小売等がデータの管理を踏まえRFIDの使用を具体的に進め始めています。パレットRFID・かご台車RFID・オリコンRFIDは勿論・個品管理でのデータ管理と全体感の可視化に利用検討されています。大きくはDX化との連携が大きく関係しています。

 

3. RFIDの進化

RFIDタグの進化は、この10年で技術が進みました。

① より小型化や薄型へ

・タグの在り方でRFIDタグのサイズの小型化やフィルム状への進化が進みました、超薄型や小型化で製品の副資材として必要以外に目立たくなり、色々な材料に埋め込まれたりしています。

② 電波の管理

・取距離や高速読取の進化で物流や店舗及び製造工場内での管理や物流の3PLが5Gや高出力により効率化が進んでいます。

・波の管理機器の発達でよりリアルタイムの在庫把握とスムーズな処理管理でPOSやサイズ仕上の出来状況の管理等で利用されています。

③ センシング機能の強化

・温度や湿度、衝撃等の環境センサー機能の搭載で商品の管理(製品状況の時環境)が行えるようになりました。

・物流企業とのトラブルが無くなり、クレームや製品ロスが減少しています。

④ 状電力と寿命無延長

・バッテリーレスや省電力化が進むことにより、メンテナンス性の向上があります。

・省力化でライフサイクルの流れが見え、ロスの減少でサスティナビリティにも寄与しています。

⑤ 再利用とリサイクル

・タグ素材の環境への配慮を含め、タグの糊付けから吸盤紙の利用等で取り付け材料の拡大があり、RFIDの応用範囲が広がる。

・循環型ビジネスの実現に貢献できます。RFIDの再度利用や取付方法の変化でRFIDどうしの連携で棚番管理や製品の個品と移動用装置の連携が進み、より効率化と物の移動の正確な可視化が出来、循環型ビジネスのメーカー本部可視化が実現されます。

この様な技術進化と企業への責任体制の管理事業が一本化されて確実な物の流れが可視化出来る。インターネットやクラウド、ブロックチェーンの技術進化で世界的に利用範囲が広がって行きます。企業のサポートに必要な機器の一つに進んでいるRFIDです。カメラ技術との連携が進めば大きな人的効率とAIの利用が事業の効率が変革していきます。RFIDの可能性がアパレル外でも言われ始めて実験的採用は進んでいます。RFID技術がRFIDチップの進化だけでなく読取機器の進化、IT技術の連携で顧客満足や取引先との連携強化、製品の安心・安全にも連携することが進み始めています。

 

4. 物流管理でRFID

大きくはアパレル系で進みましたが、衣料品以外での商品やアイテム活用に広がりを見せています。食料品・医療用品・家庭電化・書籍・文房具・家具・玩具・宝飾品と様々な分野で活用が期待されています。

① 車両、鉄道、航空機などの交通手段のRFIDタグは活躍しています。世界の空港での荷物管理や移動ケースでは既に利用されて誤配送が減少している。

② ETC課金やカーシェアリング、自動運転、また駐車場の契約管理、コンテナ管理にも利用されています。

③ 貨物自動車の連携で人的認証やコンテナ内のパレット管理も進んでいます。

④ セキュリティではパスポートの管理も進んでいます。

⑤ 医療分野では、薬剤管理、医療機器管理、在宅ケアなどの活動にRFIDが増加中です。

⑥ 今後はスポーツ用品の貸し出しや健康管理機器の管理等も含めて物流の配送を含めた管理へ進行が期待されています。

この様にスマートシティや物流管理の正確な連携にRFID利用が進むと思われます。IoTやスマート化の加速に物流事業への活用範囲がさらに広がりを見せRFIDの発達が無視できない状況に期待されています。

 

5. 現実状況

RFIDがもたらす最新業務の内容は、入出荷検品・棚卸だけでなく各部門の工夫によってロスの削減や商品検索等に利用され効率と管理費用の使用効果を上げたり、人との接触を極力避けたりに利用されています。

① 部分検索で利用範囲が広がり、また機器の小型化と性能アップにより利用方法の拡大が進み始めています。

② タグ(インレート)の技術もあがり、25枚~30枚程度の重なりにも電波利用出来ています。その結果で箱内の製品検品が開墾なしで正確に読取れたり、銀インタイプのタグも金属対応が可能になったりしています。

③ 理論在庫と実在庫の検証が進むと在庫ロスが短時間で確定し、ロスの内容確認が実施されロスの現象に貢献出来ています。

④ EC在庫との適合で社内全体の在庫ロスが無くなります。

 

6. RFID 導入による効果

棚卸の大幅業務効率化、棚卸の精度向上が実現されています。

① 棚卸時間が大幅に効率化され、差異詰め時間が増大したことによる精度向上、月々の簿価金額の大幅減が確認された。

 〔期待効果(人的業務効率)〕例

  (20H-2H)×時給×店舗数=2,200 万円

 *時給 1500 円、68 店舗と仮定 残業費が年間で大幅削減が出来た。

 ② 精度向上に対する店員の士気向上8月導入により

 〔期待効果(精度)〕例店舗の棚卸ロス率大幅改善

  ・11 月度 理論在庫との差異率 0.9%

  ・12 月度 0.6%

  ・1月度 0.05%

  *ECにおける返品率も大幅改善されています。POSの自動化で販売員の人件費改善ができた。

ある企業売上の製品ロス率がRFID導入した 8月度は:2.0%、9月度は:1.2%

現場の業務工夫により、現在は 0.03%で推移している。

もう一つにペーパーレスに大きく貢献しRFID使用場所変化で紙管理が75%以上減少している。

2018年の状況からみて、現状でのデータは有りませんがさらに活用されていると思われます。

 

 

 

 

この記事の作者
コラム記事のライター
中野 彰一

WTS

お問い合せ

コラムやセミナーなど、お気軽にお問い合せください

お問い合せ