トラック運転手のウェルビーイングとは何か!? ~物流の2024年問題より~
トラック運転手とは、物流においてなくてはならない立役者です。そんなトラック運転手の幸福度とはどんなところにあるのでしょうか。パイロットや車掌など大きな乗り物を運転する人は子供たちのヒーローです。トラック運転手も大きな乗り物を運転する人です。
そんなヒーローは世間から3Kと言われております。「きつい・汚い・かっこ悪い」と。
しかし、実際にトラック運転手の方たちと交流をすると活気溢れ、責任感に満ちた方ばかりです。身近で荷捌きを見ると迫力に圧倒され、出発していくトラック運転手は必ずいい笑顔でこちらに手を振りながら長い旅路へ向かって行かれるのです。
ヒーローであるこの方たちを守っていかなければこの日本の物流はストップします。いつも頑張ってくださるトラック運転手を応援したい。最高の敬意を払いこのコラムを執筆します。
過酷すぎるトラック運転手
他産業に比べて2割給料が低く、2割労働時間が長いといわれています。また、車内にはトラック運転手の動作を録画するレコーダーが設置されていたり、事故を起こしたら給料天引きされたりしてしまっている実情です。
トラック運転手の方からこんな話をよく聞きます。
「家に帰れたら最高だ。」「孫がなつかない」「お風呂は自分の家で入りたい」「家のごはんが食べたい」「参観日に顔を出してやれない」
いい笑顔で出発される裏側には犠牲があります。
この状態を知った上で履歴書を書いてこの業界に入りたいと思う人がどれだけいるでしょうか。今こそトラック運転手の働き方を見直さなければ明るい未来は来ないでしょう。
物流の2024年問題はトラック運転手を苦しめるのか
世の中では物流が崩壊する悪法と騒ぐ社会課題です。2024年4月1日に法改正されトラック運転手の時間外労働が960時間に規制されます。これには、上記であげたような過酷な労働に待ったなしということです。
時間を提供し働いてなんぼというこの水揚げ方式の給料ではこの法改正によりトラック運転手は自分の給料が下がると危惧するのは当然でしょう。その不安を解消するために運送事業者は必死に人財という宝を守ろうとしています。
しかし、悪法だと騒ぐ方はトラック運転手以外にいます。この方たちにぜひともトラック運転手の働き方について考えていただきたいです。トラック運転手がいなくなる世の中を。
トラック運転手のウェルビーイングと2024年問題
ウェルビーイングとは幸福度のことで一般的に3つの要素からなります。肉体的、精神的、社会的要素です。肉体的に過酷で、精神的に給料の不安があり、社会的にはきつい・汚い・かっこ悪い。トラック運転手の幸福度は無に近しいといえます。今回のこの2024年問題は、肉体的要素を高めるために必要な取り組みだと思っています。
過酷労働が改善されたら3Kのうち「きつい」の要素は払拭されウェルビーイングに1歩近づきます。労働時間が減ることで健康面も明るくなり、余暇の時間も取れ、家族と過ごす有意義な時間を確保できます。幸福度につながり永続的にこの職種を守る第一歩になるのではないかと思っています。
この記事をご覧の皆様へ
物流に関わったことがない人はこの世にいません。みなさまの生活が豊かになる裏側には必ずトラック運転手がいます。荷物が運ばれ店頭に並ぶことで生活が保たれています。
2024年までの時間は、そんなトラック運転手についてみなさまが考える時間です。そしてその課題を必ず乗り越えていかねばなりません。この2024年問題は他人事になる人はひとりもいないのです。
コロナが蔓延化し、みなさんが自粛していた時、ECサイトにて商品を注文したことでしょう。この間もトラック運転手ならびに運送業界は懸命に働きみなさまの元へ荷物を届けました。今後、物流の現場はより困難を極めてまいります。どうかトラック運転手の幸福度について考えていただきたいです。
繰り返しますが2024年問題とはトラック運転手の幸福度について考える時間です。
トラック運転手ならびに運送事業者の方へ
昼夜問わず懸命に荷物を届けていただきありがとうございます。この場を借りて心からの尊敬と感謝を申し上げます。皆様の「ほかの人のために与える精神」はとても賞賛される行為です。おかげで私たちの生活は回っています。皆様の働きに感謝し応援しています。いつもありがとうございます。
どんな時でも荷物を届けてくれる私たちのヒーローがより豊かな生活になりますように。
この記事の作者
株式会社スペース 代表取締役 村井 美映
静岡浜松を起点として、トラック輸送の中継拠点創造をビジネスモデルとして活躍中