復活の日〜夜明けの来ない夜はない〜
(松田聖子♫瑠璃色の地球♫)
新型コロナウイルスが猛威を奮っていて、全世界が凍って止まっています。医療現場とそのサプライチェーンだけが頼りの綱となって、全人類の祈りがようやく支えているところです。日本だけが各国に比べれば桁違いに小康状態を保っていて、桜が咲き走り回る子どもたちの笑顔が眩しいほどです。
文化系には頼れる知識も経験もなくて、狼狽するだけです。経済環境は一層厳しくなっており、命か金かという悪魔の選択も話題に上がり始めました。人類の試練として経験のない規模で広がる脅威には術がなく、医療衛生従事者に頼るしかありません。できることが自粛や閉門だけで彼らへの支援となるのでしょうか。今はじっと、嵐が過ぎるのを待つしかないのかも知れません。
部材原材料のサプライチェーンが止まった工場は術がありません。新築住宅も機材輸入が止まって、柱の軸組しか大工仕事ができないと聞きます。企業活動も一気に急降下しているようです。
ライフサイクルはどこまで下がる
年度末の駆け込みを目指した営業活動は、はしごを外された形になりました。売上の低下は恐怖ですが、実態を詳しくみると光明が見えてくるはずです。
売上の推移は時間とともに成長率が下がるライフサイクルカーブを描きます。成長から成熟そして衰退へ向かい、いつかは終焉します。次期商品登場のタイミングを見ながら、既存商品の終売には様々なコストを掛けた販促活動が行われます。
特に決算時期や期末には、在庫一掃を狙った販売活動が加速します。販売速度は様々な値引きやコストを掛けた活動を伴います。
売るほど手元キャッシュが減る実態
販促活動は言うまでもなく多額のコストを掛けています。売れれば売れるほど、在庫の積上を行い、販促を行っているはずです。手元キャッシュは底を目指して、一気に減少する経験は誰もが感じています。「いつか売上が復活するだろう、これだけ品揃えを増やしているから大丈夫だろう」という思惑に反して、成熟期にはキャッシュ減少が発生しています。
これを示しているのが赤い山高帽のグラフです。
売上減少での打ち手は何か
売上減少は恐怖ですが、営業部門にとっての販促停止はコスト抑制になっているはずです。復活の日を待って再起動するには、膨らんだ商品展開を絞り込み、在庫を削減するためにも場合によっては主力品以外を売り急いで総在庫を抑制します。そして、商品のライフサイクル自体の時間を逆行させるのです。
すると膨れ上がった経費が抑制され、商品そのものの付加価値キャッシュが手元に残るようになるのです。総売上は減少しても、ジャッシュアウトが減り付加価値額に伴うキャッシュインが戻ってくる。これこそが復活の日といえるでしょう。
この記事の作者
花房陵
ロジスティクス トレンド(株)